2011年度大学入試センター試験「地理B」 TOPへ
2011年度大学入試センター試験の「地理B」 は、昨年に比べ基本的な問題が多く、平均点も上がるのではないでしょうか。
2年のみなさんは、来年に向けて、教科書や資料集、地図帳で確認してください。
センター試験の問題と解答は、こちらを参考にしてください。
第1問
問1 大地形の断面図の問題
A,C,Dは新期造山帯。Bは安定陸塊の断面図です。地図帳の「世界の大地形」を日ごろから見ておきましょう。
問2 基本的な土壌の問題
間帯土壌と黒土がでました。農業の特徴から地域が分かります。
問3 ハイサーグラフの問題
①プサン(Cfa) ②サンフランシスコ(Cs) ③パリ(Cfb) ④モントリオール(Df)
問4 河川の月別流量の問題
K(ガンジス川)は、Aw、Cw気候を流れるので、「キ」
L(ミシシッピ川)は、上流にDf気候があるので、雪解けで春の流量が多くなり、「カ」
M(アマゾン川)は、Af気候をながれるので、流量の変化が小さくなり、「ク」
問5 島と大地形の問題
サ(マダガスカル)、シ(スリランカ)が安定陸塊である問題は、模試でよくでました。
問6 サンゴ礁の問題
沖縄が裾礁、オーストラリア東海岸(グレートヴァリアリーフ)が堡礁、モルディブが環礁であることが分かっていれば、簡単です。
第2問
問1 原油の産出量、輸出量、輸入量を図形表現図で表した問題
日本、ヨーロッパ諸国、アメリカがあれば、「輸入」
カナダ、メキシコがあり、アメリカがなければ、「輸出」
アメリカ、メキシコがあり、カナダがなければ、「産出」
※統計年次が2005年であることに注意。『データブック2010』P.84では、カナダが9位になっている。戸惑った受験生も多いのでは!
問2 各国の資源と発電の特徴の問題(『データブック2010』P.89を参照)
原子力発電が50%を超える国は、フランス。アメリカは19%。
水力発電が50%を超えるのは、ノルウェー、ブラジル、カナダ。インドは火力が82%。
風力による発電量が多いのは、ドイツとスペイン。ドイツは火力が64%。
問3 粗鋼生産量と造船竣工量の問題(『データブック2010』P.98,105を参照)
韓国が船舶竣工量「世界1」であることを知っていれば、解ける。
問4 原料産地に立地する工業の生産量の問題(『データブック2010』P.99を参照)
これまで、「セメントの生産」を授業で取り上げることはなかったが、他の工業が分かれば解ける。
カナダ、フィンランド、スウェーデン→針葉樹林→パルプ
サトウキビ(ブラジル、インド、中国)、てんさい(アメリカ、ロシア)→砂糖
フランス、イタリア、スペイン→ブドウ→ワイン
残りが「セメント」。何と日本は、セメントの生産量が世界4位なんですね。覚えておきましょう。
問5 1980年代以降の日本の産業の動向についての問題
貿易摩擦→自動車関連企業→北米、ヨーロッパでの現地生産
円高、安価な労働力→電機、電子関連工場→アジア諸国に進出
ベンチャー企業の立地→大都市圏
問6 アメリカの工業地域の問題
ボストン、デトロイト、クリーブランド、ピッツバーグ、ヒューストンの産業の特徴
第3問
問1 気候と住居の問題
熱帯雨林気候→高床式
乾燥気候→日干し煉瓦
地中海式気候→窓の小さい白壁の石造り
半地下式住居(イズバ)は知りませんでした(^_^;)
問2 宗教人口と地域別割合の問題
宗教人口の総数は、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教の順に多いが、キリスト教をカトリックとプロテスタント分けると、イスラム教が一番多くなります。
西アジア、インドネシア、パキスタン、バングラデシュ、マレーシアなどがイスラム教徒が多いので、「ア」がイスラム教ですね。
中央・南アメリカが多いのが、「イ」のカトリックですね。
残りの「ウ」が、プロテスタントですが、アフリカの割合が大きいのがポイントです。イギリスの植民地の影響でしょう。
問3 都市人口の問題
上海1100万人、ソウル1000万人、ニューヨーク800万人と、それぞれの国の人口を覚えていれば、解けます。
問4 世界の都市の特徴の問題
パリ、メキシコシティ、リオデジャネイロは、模試でもよく出ます。
問5 日本の都市の特徴の問題
豊田市…トヨタ→第2次産業就業者の割合が大きい
長崎市…地方都市→65歳以上人口の割合が大きい
西宮市…大阪、神戸の衛星都市→人口増加率が高い
問6 人口移動と分布図
過去に、同類の問題がでています。65歳以上人口割合だったと思います。
第4問
問1 アフリカ大陸の標高の問題
アフリカに限らず、各大陸の標高の範囲や大陸の高度別面積割合(『データブック2010』P.4を参照)を確認しておこう。
問2 アフリカの食文化の問題
A…地中海性気候→オリーブ、ステップ気候→ナツメヤシ
B…サヘル、ステップ気候→ラッカセイ
C…熱帯雨林気候、焼畑農業→ヤムイモ、バナナ
D…マダガスカル、マレー系→米飯、ココナッツミルク
問3 アフリカの家畜の問題
北アフリカはイスラム圏のため、ブタはいない。
乾燥気候(北アフリカ)→ラクダ
牛は、アフリカ全体に分布する。
問4 アフリカの国々における輸出品
原油→アルジェリア 茶→ケニア 銅→ザンビア
問5 アフリカの都市の歴史的成り立ちの問題
スワヒリ語→東アフリカ
植民都市→海岸線
問6 アフリカの文化の問題
人種差別撤廃運動→南アフリカ
植民統治を受けずに栄えた→エチオピア
イギリスの統治を受けた→ガーナ
第5問
問1 地域別人口増加の問題(『データブック2010』P.40を参照)
1950年以降の人口爆発→アフリカ
問2 各国の食料事情と保健衛生の問題
5歳未満児死亡率が高い→発展途上国→インド、サウジアラビア
穀物自給率が低い→韓国(韓国は、資源・エネルギー・食料自給率などで日本と似ている)
穀物自給率が高い→ドイツ(小麦・大麦・ライ麦・えん麦の生産が上位)『データブック2010』P.56,P57
※「おもな国の食料自給率」は、『データブック2010』P.70を参照
問3 国際紛争と難民の問題
ロシア→チェチェン問題
スーダン→干ばつ、ダルフール紛争、PKO部隊派遣
ミャンマー→軍事政権、民主化運動指導者アウンサン=スー=チー(現在軟禁解除)
問4 ODA(政府開発援助)の問題
『データブック2010』P.139を参照
対GNI比が大きいのは、スウェーデン(1.00%)、ノルウェー(1.00%)、デンマーク(0.80%)、オランダ(0.80%)の北欧の国々
ちなみに、日本は0.20%、イタリアは0.18%、フランスは0.39%である。
問5 環境問題
酸性雨…ヨーロッパ、中国東部、アメリカ・カナダ東部
熱帯林の減少…東南アジア、アフリカ中央部、アマゾン川流域
世界最大規模の水力発電ダム…三峡(サンシア)ダム、長江
第6問
2万5千分1地形図「牛津」を題材にした問題
→地図閲覧サービス「ウォッちず」(国土地理院)で2万5千分1地形図「牛津」を閲覧することができます。
問1 2万5千分1地形図→1cm=250m
問2 新旧地形図の読図問題
問3 地域調査の問題
問4 土地利用の問題
問5 地勢図と図形表現図を関連付ける問題
問6 在日外国人の問題
外国人登録者数が大幅に増加(P)…中国人→中国残留日本人孤児、残留婦人が家族と一緒に渡日
外国人登録者数に大きな変化はないが、少しずつ減少(Q)…韓国・朝鮮人→日本国籍を取得する人が増えている
残り(R)が、フィリピン人→フィリピン人には看護師・介護福祉士候補者の受入れが認められている(日・フィリピン経済連携協定)