2012年度大学入試センター試験「地理B」 TOPへ
2012年度大学入試センター試験の「地理B」 は、今年も基本的な問題が多かったのではないでしょうか。
2年のみなさんは、来年に向けて、教科書や資料集、地図帳で確認してください。
センター試験の問題と解答は、こちらを参考にしてください。
第1問(地形・気候)
問1 プレート境界の問題
Cは、「沈みこみ型」のせばまる境界。
地図帳の「世界の地形」や「プレート・プレート境界と火山・地震」を日ごろから見ておきましょう。
問2 ハイサーグラフと気候区分の問題
1月に気温が高い④は、南半球で、残りの①②③は北半球。
まず、図1に赤道を記入し、北半球と南半球に分けましょう。
④がケープタウンになります。気候は、夏に降水量が少ないのでCs気候。
同様に①もCs気候で、チュニスとなります。
②がCfb気候のグラフ、③がDf気候のグラフとなるので、
②がレイキャビク、③が札幌となります。
問3 新期造山帯と乾燥気候の問題
K~Nは新期造山帯で、乾燥気候で3,000m以上の場所を選ぶ問題です。
Lは熱帯、Mは温帯、残るKとNが乾燥気候ですが、3,000m以上となるとNが答えとなります。
写真1は「世界最大の塩原」ということですので、ボリビアのウユニ塩原でしょう。
問4 土壌の問題
①はラトソル、②は褐色森林度、③は砂漠土?、④はポドソルです。
▲は温帯に見られるので、褐色森林度となります。
問5 異常気象と天候異変の問題
火山噴火によって火山灰が大気中を覆うと、太陽の光を遮ってしまうために、日照時間が減って冷害となります。
「エルニーニョ現象」については、「地理資料」のp.49を参照してください。
問6 気象衛星画像の問題
気象衛星画像の問題は、これまでもセンター試験や模試で何度も出題されました。
「地理資料」のp.43、p.44を参照してください。
第2問(農牧業)
問1 農作物と自然条件の問題
①がバナナ、④がライ麦であることはわかるでしょう。
②、③は迷います。
綿花は、Aw気候、Cw気候で多く栽培されるので②が綿花、残りの③が大豆となります。
中央アジアのウズベキスタン(BW、BS気候)も綿花の生産量が多いですが、北緯40~45度に位置します。
問2 農牧業地域の問題
Bは、粗放的な稲作ではなく、移動式焼畑農業の地域です。
問3 灌漑農業の問題
中央アジアの灌漑農業は、サトウキビの栽培ではなく、綿花や小麦です。
問4 農業と社会条件(文化・経済)の問題
①は、スペイン、ポーランドが上位10カ国に入っているので、豚肉の生産です。
②は、イスラム教のエジプトが上位10カ国に入っているので、牛肉の輸入です。
③は、オーストラリアが上位10カ国に入っているので、牛肉の生産です。
④は、韓国が上位10カ国に入っているので、豚肉の輸入です。
「世界国勢図会」では、2007年は韓国は8位ですが、2008年の資料では韓国が資料(上位8位まで)から消えているので、
今後他の資料から確認する必要があります。
問5 経営の形態と生産性の問題
北アメリカは、企業的穀物農業なので、農業従事者1人当たり農地面積は大きく、生産性は低い。
西ヨーロッパは、商業的農業なので、農業従事者1人当たり農地面積は小さく、生産性は高い。
南アジアは、アジア式畑作農業なので、農業従事者1人当たり農地面積は小さく、生産性は低い。
→Xが北アメリカ、Yが南アジア、Zが西ヨーロッパとなります。
問6 遺伝子組み換え作物の問題
日本で安全性が確認され、販売・流通が認められているのは7作物です。
→大豆 とうもろこし じゃがいも なたね わた てんさい アルファルファ
詳しくは、「遺伝子組み換え商品」(厚生労働省)を参照してください。
「地理資料」p.93も参照してください。
第3問(都市・村落と生活文化)
問1 都市人口の問題
イタリア…人口1位都市 ローマ(274万人)首都
オーストラリア…人口1位都市 シドニー(450万人) 人口2位都市 メルボルン(399万人)
首都キャンベラ(40万人) 首都移転(シドニーとメルボルンの間)
トルコ…人口1位都市 イスタンブール(1200万人) 人口2位都市 アンカラ(400万人)首都
メキシコ…人口1位都市 メキシコシティ(840万人)首都
括弧内の人口は「データブック オブ・ザ・ワールド(2011)」より
人口800万人以上の都市と主要国の人口1位都市は覚えましょう。
→①メキシコ ②トルコ ③オーストラリア ④イタリア
問2 都市景観の問題
ヨーロッパの都市は、都市景観を大切にし、中・低層の歴史的建造物が保全され、周辺部に高層ビルが建設される。
モスクワは、城壁で囲まれた都市で、旧ソ連時代から城壁の中心部に政府機関があり、郊外に高層住宅が建設されている。
パリは、ラ・デファンス地区に副都心が建設されている。
アメリカや日本の大都市では、都心にC.B.D.(中心業務地区)が形成される。
→ア モスクワ イ シカゴ ウ パリ
問3 村落の形態と都市の発達の問題
①塊村ではなく、路村
②インナーシティ問題は、都心の人口減少や建築物の老朽化、高齢化の問題
④宅地化が原因
問4 宗教分布の問題
ポルトガル、スペインはカトリック
ドイツ北部は、プロテスタント
バルカン半島は、イスラム教徒が多い。
問5 宗教と産業史の問題
ウズベキスタン…イスラム教、中央アジア、シルクロード→②
スウェーデン…鉄鉱石、ハンザ同盟→④
スリランカ…仏教(シンハラ人) ヒンドゥー教(タミル人) イギリスの植民地→①
フィリピン…カトリック 棚田→③
問6 食文化の問題
イタリア…ピザ→③
イラン…1979年のイラン革命後、アメリカと対立状態→②
インド…ヒンドゥー教徒(牛は聖なる動物)→④
残りのカナダが①(ロブスター)となります。
第4問(北アメリカ)
問1 植生・気候と住居の問題
北アメリカの植生や気候区分が理解できたいれば解答できます。
①サケ・ニシンは、カナダ西海岸→B
②高原地帯、とうもろこしは、メキシコ→D
③草原地帯→C
残った④がAとなります。
問2 地名の由来の問題
アラスカはかつてロシア領であった。
メキシコはかつてスペイン領であったから、メキシコに近いところの地名はスペイン語に因む。
カナダのケベック州は、フランス系住民が多い。アメリカのルイジアナはかつてフランス領であった。
問3 アメリカの人種・民族問題
この問題が一番難しいのではないでしょうか。私は、この問題を間違えました。
「製造業の従事者」の比率が一番低いのが、ヨーロッパ系ということでしょう。
問4 食料供給栄養量と食文化の問題
メキシコで最も多いものが、とうもろこし→③
日本で最も多いものが、米→④
アメリカでもっとも多いものが、小麦→①
残りが大豆→②
問5 金融・保険業の立地の問題
アメリカ南部諸州の農業生産額は、中西部の次に大きくなっています。
「データブック オブ・ザ・ワールド(2011)」p.74を参照してください。
問6 アメリカの輸入相手国の問題
アメリカの貿易相手国は、かつて日本が1位であったが、現在は中国になっています。
また、NAFTA(北大西洋自由貿易協定)の関係で、カナダ、メキシコとの貿易額が大きくなっています。
K…日本 L…メキシコ M…イギリス N…中国
第5問(現代世界の諸問題)
問1 人口問題
「一人っ子政策」は、中国の人口政策です。
問2 緑の革命
富裕農家への普及にとどまり、零細農家と富裕農家の格差を広げたました。
問3 農業生産の拡大
穀物耕作面積が最も増加したものが、アフリカになります。
穀物生産量が最も増加したものが、東南アジアです。「緑の革命」の影響です。
残りが南アメリカとなります。
問4 資源・エネルギーをめぐる問題
①は、ナイジェリアのビアフラ内戦のことです。石炭ではなく、石油の利権をめぐる対立です。
これによってナイジェリアの首都はラゴスからアブジャに移転しました。
②は、天然ガスのパイプライン網のことです。
④は、海底油田・ガス田をめぐる南沙諸島の領有問題です。
中国、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾が領有権を主張しています。
問5 再生可能エネルギーの問題
風力の割合の大きい国…ドイツ スペイン→②
水力の割合の大きい国…ノルウェー ブラジル カナダ→③
地熱の割合の大きい国…アイスランド ニュージーランド→④
残りのバイオマスの割合の大きい国がフィンランド→①
第6問 地域の問題
下記の地形図を参考にしてください。基本的な地図記号も覚えて下さい。
牧ノ原は隆起扇状地です。