2013年度大学入試センター試験「地理B」 TOPへ
2013年度大学入試センター試験の「地理B」 は、「統計資料を読む」のに時間がかかり、例年よりも難しかったのではないでしょうか。
2年のみなさんは、来年に向けて、教科書や資料集、地図帳で確認してください。
また、日頃からテレビ、新聞などで、世界の国々の現況に興味をもってください。
とりあえず、問題を解いてみて、ポイント、感想をアップしてみます。
間違いがありましたら、メールで教えてください。
センター試験の問題と解答は、こちらを参考にしてください。
第1問(地形・気候)
問1 大気の循環と降水の問題 こちらを参考にしてください。
空気が上昇するところ(低圧部)→上昇気流→雨が降りやすい
空気が下降するところ(高圧部)→下降気流→雨が降りにくい
①赤道付近は、「赤道低圧帯」
②「赤道低圧帯」、「亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)」の移動→サバナ気候(雨季と乾季)
③亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)から亜寒帯低圧帯に向かって吹く西よりの風→偏西風
極高圧帯から亜寒帯低圧帯に向かって吹く東よりの寒冷な風→極東風
④緯度20度~30度→中緯度高圧帯→砂漠が分布(例:サハラ砂漠、ネフド砂漠、オーストラリア内陸部)
問2 土壌と植生の問題
「砂漠土」は砂漠気候(BW)に分布する土壌なので、「無植生」かなと思ってしまいますが、サボテンが生育するので、「無植生」ではないでしょうね。
BW気候は、「無樹木気候」です。
BS(ステップ)気候→黒色土、栗色土
熱帯→ラトソル
が分かっていれば、消去法で解答できるでしょう。
問3 気候区分の問題
AはCs、BはDf、CはCfaと推測できます。
3つのグラフを比較すると、
アは、最寒月平均気温が-3℃未満なので、Bとなります。
ウは、最暖月平均気温が22℃以上なので、Cとなります。
残りのエが、Aとなります。
問4 大地形とサンゴ礁の問題
Jのアイスランドは、広がるプレート境界が地表にあらわれた島です。→②
Kは、地図の位置と文章から「ツバル」のことでしょう。→①
Lは、新規造山帯の周辺で、石油が分布している。→③
Mは、カリブプレートと南アメリカプレートのプレート境界→海溝、島弧→④
問5 小地形の問題
Qは、チャオプラヤ川のデルタ→ク
Rは、フィヨルド→カ
Sは、ラプラタ川河口のエスチュアリー→キ
問6 地下水の問題
Xは、イランの「カナート」→自由地下水→地下水路→灌漑→なつめやし、小麦
Yは、グレートアーテジアン盆地の「掘抜き井戸」→牛や羊の放牧…「大規模灌漑農業」が誤りか?
第2問(産業)
問1 産業別就業者割合の問題
第1次産業就業者割合が一番大きいのが、中国。
第1次産業就業者割合が一番小さいのが、アメリカ。
「データブック オブ・ザ・ワールド」で主な国の産業別就業者割合を確認しておきましょう。
問2 第3次産業の問題
この問題は、間違えました。
第3次産業別就業者割合が一番小さい④が、フィリピン。
アラブ首長国もスイスも「金融」のイメージが強い国。
「金融・不動産」の割合が大きい②が、アラブ首長国、スイスのどちらか、と考えました。
「飲食・宿泊」の割合が大きい③を「スイス」として考えて間違えました。
「飲食・宿泊」の割合が大きい③は、アラブ首長国なのでしょうか?
問3 工業生産の問題
アは、インド、パキスタンが上位→綿織物
イは、カナダ、スウェーデン、フィンランドが上位→パルプ
ウは、日本、韓国、台湾が上位→工作機械
問4 研究開発、先端技術産業の問題
④は、すべての項目において数値が小さいので、メキシコ。
③は、「電気機械産業の研究開発費」、「バイオ技術に関する特許件数」が他よりも多いので、アメリカ。
韓国は、家電、スマートフォンの領域で世界トップレベルなので、「電気機械産業の研究開発費」、「バイオ技術に関する特許件数」が③の次に多い②と考える。
問5 工業立地の問題
出版・印刷業→東京・大阪に集中→ク
食料品製造業→消費立地→カ
問6 産業立地の問題
「全従業者に占める割合」が小さい→情報通信業、農林漁業
「県庁所在都市集中度」が低い→農林漁業
①→情報通信業 ②→農林漁業
第3問(都市・村落と生活文化)
問1 外国人居住者の問題
この問題も、間違えました。
「年間労働時間」が多い→ソウル、ホンコン…これは、分かると思います。
「外国人居住者の割合」が大きい→デンマーク
「留学生の割合」が大きい→シドニー
でしたね。
問2 都市景観と機能の問題
ヨーロッパの都市は、景観を大切にするので、高層ビルは他の地域の都市に比べて少ない。
→②、④はパリ、ロンドンです。それぞれ、どちらかは、今の段階では分かりません。
東京とニューヨークでは、ニューヨークのほうが、高層ビルの数は多いと想像できます。
→①が東京
問3 村落の形態の問題
ドイツの林地村は、路村です。
問4 スラムの問題
先進国のスラムは、都市の中心に形成される。
発展途上国のスラムは、都市の周辺に形成される。
問5 新聞の発行部数の問題
インターネット等の発達によって、先進国の新聞の発行部数は減少傾向にあると考えられる。
→発行部数の多い①は、日本
→発行紙数の多い②は、アメリカ
発行部数、発行紙数とも少ない④は、マレーシア
残った③が、ブラジルとなります。
問6 民族衣装の問題
①は、ポンチョの説明→ボリビア
②は、チャドルの説明→イラン
③は、アオザイの説明→ベトナム
④は、デールの説明→モンゴル
第4問(地中海沿岸)
問1 植生・気候と住居の問題
①の「貿易風」は、亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)から赤道低圧帯に向かって吹く東よりの風
問2 気温と降水量の問題
Cs(地中海性)気候の4都市の気温と降水量を判別する問題で、やや難しいかもしれないが、
海洋に一番近い都市が、「最も降水量が多く」、「気温の年較差が小さい」と考えれば、③(ウ)が、ラバトとなります。
問3 地中海式農業の問題
内陸にも分布している「ク」が、ブドウ。
バレンシア地方に分布している「カ」が、柑橘類。
バレンシア・オレンジを覚えておこう!
問4 産業の問題
サ→アルジェリアの石油・精油の説明→B
シ→フランスのトゥールーズの説明(エア・バス社の最終組み立て工場)→A
ス→イタリアの説明→C
問5 観光の問題
観光客数の多い国→スペイン、イタリアが上位5位に入っています。
観光客数の多い国(2009年)
1位 フランス 2位 アメリカ 3位 スペイン 4位 中国 5位 イタリア
6位 イギリス 7位 トルコ 8位 ドイツ 9位 ロシア 10位 マレーシア
「データブック オブ・ザ・ワールド」で確認しましょう。
問6 食文化の問題
トルコは、イスラム教の国で、豚は食べません。
第5問(現代世界の諸問題)
問1 人口問題
合計特殊出生率が最も高く、65歳以上人口の割合が最も小さい①は、アフリカ。
65歳以上人口の割合が、ヨーロッパの次に大きい③は、北アメリカ。
合計特殊出生率がヨーロッパの次に低い④が、東アジア。
→「少子化問題」を抱える日本、「一人っ子政策」の中国
問2 生活習慣の問題
5歳未満児発育不良率が高い「ア」は、インド
女性の喫煙率が高い「ウ」は、アメリカ
残った、糖尿病患者の割合が高い「イ」が、サウジアラビアとなります。
問3 人口問題、食料問題
インドは、かつて「家族計画」の政策を行ってきた。よって、「過去の人口抑制策の欠如」は、誤り。
問4 民族紛争の問題
クルド人は、イラク、トルコ、イラン、シリアの国境付近に居住する民族。「国家なき民族」、「世界最大の少数民族」と称される。
問5 先住民の問題
ニュージーランドは、マオリ語を公用語としているが、カナダ、オーストラリアは、先住民の言語を公用語としていない。
第6問 地域の問題
問1 鳥瞰図
カシミールで作ってみました。
問2 日照時間の問題
徳島は、梅雨前線や台風の影響で、6月、9月は、日照時間が少なくなる。
会津若松は、冬型の気圧配置で、12月、1月は、日照時間が少なくなる。
問3 新旧版、地形図の問題
水田も市街地化している。
問4 地形図読図の問題
Aは、川の蛇行や、水田がみられ、旧吉野川の後背湿地であることがわかる。→カ→写真サ
Bは、松林と畑の地図記号がみられる。→キ→写真シ
問5 交通手段の変遷の問題
明石海峡大橋の開通によって、船舶の利用者は減少し、高速バスの利用者は増加した。
航空機は、橋の開通に影響されない。
問6 地域調査の問題
空中写真からは、企業の進出状況は分からない。