あぜっ地理(国家群―政治的・軍事的な結びつき―) |
2 政治的・軍事的な結びつき (1)主要国首脳会議(サミット・G7)1975年 アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本の6か国が参加し、フランスのランブイエで開催。主要な政治課題を議論。 1976年 カナダが参加し、G7となる。※参加国がヨーロッパに偏るため。 1998年 ロシアが公式に参加し、G8となる。「先進国首脳会議」から「主要国首脳会議」に改称。 2014年 ロシア資格停止(ロシアがクリミアを編入したため)。G7となる。 (2)北大西洋条約機構(NATO:North Atlantic Treaty Organization) 1949年に、ソ連を中心とした社会主義陣営に対抗するための軍事同盟として発足。冷戦終結後は、旧社会主義陣営の国々も加盟し、NATOは拡大を続けている。詳しくは、「NATOとWTO(東西冷戦時のヨーロッパ)」と「NATOの拡大(冷戦終結後のヨーロッパ)」を参照。 North Atlantic Treaty Organization(公式ホームページ) (3)欧州安全保障協力機構(OSCE:Organization for Security and Co-operation in Europe) 1975年に始まった全欧安全保障協力会議(CSCE)を、1995年に常設機構化することによって機能を強化し、欧州安全保障協力機構(OSCE)と改称した。北米から、ヨーロッパ、中央アジアの57か国が加盟する世界最大の地域安全保障機構。NATOとロシアの対立で、OSCSは困難な課題に直面している。詳しくは、「CSCE(全欧安全保障協力会議)からOSCE(欧州安全保障協力機構)へ」を参照。 CSCE(全欧安全保障協力会議)からOSCE(欧州安全保障協力機構)へ (4)東南アジア諸国連合(ASEAN:Association of South- East Asian Nations) ベトナム戦争の最中、東南アジアの社会主義化を恐れたアメリカの支援の下、1967年にインドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシアの5か国でASEANが結成された。結成当時は、反共軍事同盟的な性格の強いものであったが、冷戦後は政治、経済、文化などで相互に協力する大型地域機構になった。 (5)BRICS首脳会議 新興経済大国であるブラジル、ロシア、インド、中国の4か国(BRICs)に、2011年南アフリカが参加しBRICS首脳会議となる。2009年ロシアのエカテリンブルクで第1回首脳会議が開催され、毎年首脳会議が開催されている。 (6)アラブ連盟(LAS:League of Arab States) アラブ諸国の独立と主権を守り、政治や経済分野での協力、中東地域の平和を目的として、1945年にイエメン、イラク、エジプト、サウジアラビア、シリア、ヨルダン、レバノンの7か国で結成した。その後、15のアラブ周辺国が加盟し、現在22か国によって構成されている。※イエメンの加盟時は、北イエメン(イエメン・アラブ共和国)で、1967年南イエメン(イエメン人民民主共和国)は北イエメンと合併。 (7)湾岸協力会議(GCC:Gulf Cooperation Council) 正式名称は「Cooperation Council for the Arab States of the Gulf」である。 日本政府での呼称は「湾岸協力理事会」である。 1979年のイラン革命、ソ連のアフガニスタン侵攻、1980年に始まったイラン・イラク戦争に脅威を感じた湾岸アラブ6か国(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、オマーン、カタール、クウェート)が、王制・首長制国家の立場から相互の結束を強化してこれらの脅威に対処するために、1981年に設立した。設立当初は、集団安全保障体制としての色合いが強かったが、1990年代の原油価格の低迷等を受け経済統合のための機関としての色合いが強くなった。現在は、各国の足並みがそろっていない。 (8)アフリカ連合(AU:African Union) 2002年、アフリカ統一機構(OAU)から発展改組されて発足。EU(ヨーロッパ連合)をモデルとした政治的・経済的な統合を目指している。2017年にモロッコが再加入し、アフリカの55か国すべてが加盟している。日本政府が承認していない西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)も含まれている。域内での虐殺行為や戦争犯罪の抑止を目指す「平和安全保障理事会」が設置されている。 国連憲章と世界人権宣言を尊重し、アフリカ諸国の統一と連帯を促進し、国家の主権と領土を守り、新植民地主義と闘うことを目的に、1963年に発足。1982年にモロッコが領有権を主張する西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)がOAUに加盟したことに抗議し、1984年にモロッコが脱退。1994年にアパルトヘイトを廃止した南アフリカ共和国が加盟し、モロッコを除くすべてのアフリカの国が加盟。 (9)上海協力機構(SCO:Shanghai Cooperation Organization) 中国とロシアが主導する地域組織。1991年の旧ソ連崩壊後、中国と国境を接することになったロシアなど旧ソ連構成国4カ国で集まった「上海ファイブ」が前進(1996年)。2001年にウズベキスタンが加わり設立。結成当初は新しい国境の管理が主な課題だったが、地域の安全保障や経済分野での連携を目指している。2017年には、インドも加盟するなど存在感を増している。本部はペキン。 加盟国 中国 ロシア カザフスタン キルギス タジキスタン(原加盟国) ウズベキスタン(2001年) インド(2015年) パキスタン(2015年) (10)米州機構(OAS:Organization of American States,) 米州(南北アメリカ)の平和と安全保障・紛争の平和解決・加盟諸国の相互躍進を目的とし、1951年に発足。当初はアメリカ主導の反共主義同盟の色合いが濃く、アメリカによる中南米支配の道具と言われた。近年は、米州各国での選挙監視活動等に重要な役割を果たし、特に域内の民主化の確立、維持に取り組んでいる。 加盟国 すべての米州独立国(35か国) 2017年 ベネズエラが脱退を表明 2021年 ニカラグアが脱退手続き ※キュ-バは、1962年の対キューバ制裁決議によりカストロ政権のOAS参加を排除され、同年キューバ側もOAS脱退を発表した。2009年に対キューバ制裁決議を廃止する決議が採択されたが、キューバ側は復帰していない。
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