あぜっ地理(世界の水産産業)

 

1.水産業の成立   2.水産物の貿易   3.世界的な漁業制限   目次へ

1.水産業の成立

 (ア)自然的条件…①大陸棚 ②バンク ③潮目(潮境)→プランクトンの繁殖

 (イ)社会的条件

   ①魚を食べる習慣 Excelファイル

    ※1日1人当たりの魚介類の供給量(2019年) ※(  )内は海藻類含まず 。

     アイスランド 250g(250)  韓国 247(155)g  モルディブ232(232)g

     ノルウェー 139(139)g  中国 138(104)g  日本 128(125)g

     インドネシア 120(120)g  スペイン 116(116)g  フィリピン 70(70)g

     ペルー 66(66)g  アメリカ 60(60)g  ロシア 55(55)g

     イギリス 51(51)g  ブラジル 25(25)g  インド 19(19)g

      「FAOSTAT」の「Food Balances (2010-)」より作成(2022年1月15日閲覧)

   ②漁港…水深、波の穏やかさ、港湾施設

   ③資本、技術、労働力

 (ウ)おもな水域別(海水面)の漁獲量 Excelファイル

Fishery and Aquaculture Statistics」より作成

   ※世界の水産業のデータは、FAOの「Fisheries and Aquaculture」で閲覧することができる。

 (エ)世界3大漁場…大陸棚、バンク、潮目(潮境)

   A 太平洋北西部漁場…a 日本海流(黒潮、暖流)とa 千島海流(親潮、寒流)

   B 大西洋北西部漁場…b メキシコ湾流(暖流)とb ラブラドル海流(寒流)

   C 大西洋北東部漁場…c 北大西洋(暖流)とc 東グリーンランド海流(寒流)

                   →トロール漁法 タラ漁 タラ戦争(アイスランドとイギリス)

  ※湧昇流…深海から冷たい海水が沸き上がる

    →下層の水(深層水)に含まれる窒素や隣などの栄養物質が昇ってくるので、肥沃な海域となる。

    →植物プランクトンや、これを食べる動物プランクトン、さらに魚が集まり好漁場が形成される。

   D 太平洋北東部漁場…d カリフォルニア海流(寒流)

       北東貿易風→海面の流れが速くなる→湧昇流

   E 太平洋南東部漁場…e ペルー海流(寒流)→湧昇流

       南東貿易風→海面の流れが速くなる→湧昇流

 (オ)国別漁獲量と推移  『世界国勢図会』より

 MANDARA用 Excelファイル

日本を除くアジアの国々は、養殖生産量が多いことが分かる。

 

漁業生産量の推移

近年、インドネシア、インド、ベトナムの漁業生産量が増加している。

 (カ)ペルーの水産業

   ①世界上位の漁獲量… ペルー海流(寒流)→湧昇流→好漁場

      エルニーニョ現象の影響と乱獲→不安定な漁獲量

   ②アンチョビー(かたくちいわし)が、漁獲量の約70%を占める

   ③アメリカ合衆国の資本によってフィッシュミールに加工→飼料、肥料、工業原料

   ④養殖漁業用のえさとして、東南アジア、東アジアへ輸出

2.水産物の貿易   MANDARA用 Excelファイル

 

3.世界的な漁業制限→輸入の増加

 (ア)領海の拡大…3海里→12海里

 (イ)排他的経済水域200海里の設定(日本:1977年)…約370km

 (ウ)漁業専管水域…領海の外につながる一定の海域で,その海域の漁業資源については沿岸国が主権を

          行使することを宣言した水域。

 (エ)商業捕鯨の全面禁止(1986年~)

   2018年12月26日、日本政府は日本が国際捕鯨委員会(IWC)から脱退し、日本の領海と排他的経済水域

  (EEZ)で商業捕鯨を2019年7月から再開することを決定したと発表した。

  「国際捕鯨委員会(IWC)について 」(外務省)

  国際捕鯨委員会(IWC)公式ホームページ

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